大雨・暴風雨に備えて 防水メンテナンス 外壁・バルコニー・ベランダ

2023年5月2日

名城企画株式会社です。

今回は前回に引き続き、建物の防水メンテナンスについてとりあげます。今回は外壁、バルコニー・ベランダの防水対策についてご紹介します。

●マンションの外壁防水

マンションの外壁にこのような現象が見られるなら、専門業者に点検してもらうことが望ましいです。

・壁を指でこすると白い粉がつく
・塗装面のひび割れ・はがれが見られる
・外壁の汚れが目立つ
・建材の隙間を埋める目地(コーキング、シーリング)の劣化

なお、ドローンを使って、赤外線で外壁の劣化診断や漏水の原因調査をするサービスもあるようです。

マンションの外壁防水は、外壁を塗装する(塗り壁)か、壁にタイル、サイディング、ALCを貼り付けたものが一般的です。

 ・塗り壁

塗り壁の外壁は、セメントに砂を混ぜたモルタルの上に塗料を塗ります。塗り壁は原則として再塗装が必要となり、約8~10年経って塗膜が劣化する前に再塗装を行う必要があります。

 ・タイル外壁

タイルを外壁に貼るタイル外壁は、施工費用がかさみますが、防水性、耐久性が高く、メンテナンスの手間が最も少ない外壁材です。耐用年数は約30年とされています。約10年に一度、浮きや欠け、目地の点検が必要です。

 ・サイディング

窯業、金属、樹脂系の素材を板状に成形したものを外壁に貼り付けます。軽量で耐水性に優れています。どのサイディング材も、表面を塗装しなければ本体が劣化します。約10~15年ごとに、再塗装や目地の点検を行う必要があります。

 ・ALC(軽量気泡コンクリート)

内部に気泡を含むALCパネルは軽く、マンションなど高層の建物で使われることが多い外壁材です。ただ、ALC自体は耐水性が低いため、予め防水材を塗ってあるものを使うか、工事現場で防水処理を施す必要があります。また、パネルの継ぎ目が多くなります。継ぎ目のメンテナンスも重要になります。約10年~15年ごとに、再塗装や目地の点検を行う必要があります。

外壁のメンテナンスは足場を組んで行うこととなり、住民にも不便を強います。通常はマンションの理事会で決められた大規模修繕の際に外壁塗装を行います。大規模修繕のタイミングは、塗装の機能が持続するよう設定します。

それには、塗料も考慮に入れる必要があります。塗料によって耐用年数が異なるためです。主にウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料が用いられます。

 ・ウレタン塗料

標準的に用いられてきた塗料で、防水性が高く、費用が安価です。塗料の中でも弾性が高く、コンクリートや塗り壁のひび割れを防ぐために選ばれることがあります。耐用年数は約10年とされています。

 ・シリコン塗料

現在、標準的になりつつある塗料で、費用対効果が高いです。ウレタン塗料よりも耐久性が高く、費用もやや割高になります。耐用年数は約10~15年とされています。

 ・フッ素塗料

外壁用塗料の中で最もグレードが高い塗料です。シリコン塗料よりも耐久性が高く、費用も高額です。紫外線や汚れに強い塗膜を作ることも特徴です。耐用年数は約15~20年とされています。

フッ素塗料は高額ですが、外壁塗装のスパンを長くできるため、長期的に見れば修繕費用を安く抑えられる場合もあります。

 

 ●バルコニー・ベランダの防水メンテナンス

バルコニー・ベランダは直接雨が降り込む場所で、防水メンテナンスは必須です。バルコニー・ベランダの水漏れを原因として、壁の劣化に繋がる可能性もあります。

バルコニー・ベランダの床は、下地・防水層・トップコートの順で構成されます。防水層とトップコートは、雨や紫外線の影響により経年劣化します。それが雨漏りに繋がるケースも少なくありません。

主なベランダ・バルコニーの防水方法は、ウレタン防水とFRP防水があります。

 ・ウレタン防水

下地にウレタン樹脂でできた防水材を塗装し、紫外線から守るためのトップコートで仕上げる方法です。材料が液状のため、複雑な形状の場所でも綺麗に仕上げられます。費用相場は1平米あたり4000円~7000円、耐用年数10~15年です。

 ・FRP防水

下地にポリエステル樹脂を塗装し、ガラス繊維でできたマットで補強してトップコートで仕上げる方法です。費用相場は1平米あたり5000~20000円、耐用年数は10~15年です。

ただし、いずれも、床表面のトップコートは約5年、防水層は10年~15年に1回、塗り替えることが推奨されます。床面の色褪せやひび割れが確認できれば、早い段階で塗り替える必要があります。

また、ベランダの手すり・腰壁の継ぎ目部分などから雨漏りして、内部が腐食することもあるため、この部分の点検も必要です。

さて、今回は外壁、バルコニー・ベランダの防水メンテナンスについて解説しました。
いつ来るか分からない台風・暴風雨に備えて、定期的な点検とメンテナンスを行うようにしましょう。

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