大雨・暴風雨に備えて 防水メンテナンス 屋根・屋上  

2023年4月24日

名城企画株式会社です。

いつ来るか分からない大雨や暴風雨に備えて、日頃から屋根・屋上、外壁、バルコニー・ベランダには防水メンテナンスをしておくことが求められます。

今回は、屋根・屋上のメンテナンスについて解説します。

 ●防水の重要性

防水は建物の構造を守る上で重要です。

木造住宅の場合は、屋根や外壁などから水が染み込む状態が続くと、天井裏や外壁、柱や梁の木材が腐食してしまいます。さらに湿った木材にはシロアリが住み付きやすくなり、シロアリによってさらに柱などの劣化が進みす。

鉄筋コンクリートの建物の場合は、鉄筋の錆びを防ぐためにコンクリートを弱アルカリ性にしています。雨水が染み込むと、コンクリートの表層から空気中の炭酸ガスが侵入し、化学反応によってコンクリートのアルカリ性は失われ(中性化)、鉄筋の錆び、コンクリートの破損などが起こり、建物の劣化が進みます。

また、防水はカビ発生を防ぐためにも重要です。天井裏や外壁内に雨水が染み込み、カビが繁殖すると、室内にカビ臭がしたり、カビによる健康被害も懸念されます。

これらを防ぐために、防水メンテナンスが重要です。

 

 ●マンション・ビルの屋根・屋上の防水メンテナンス

マンション・ビルの屋根・屋上で次のような現象がみられると、防水メンテナンスが必要なサインとなります。

・屋根に雑草が生えている
・屋根にひび割れや塗装の剥がれがある
・防水シートにひび割れや断裂が見られる
・防水シートが膨れたり浮き上がったり歪みが生じている
・防水シートの接合部分が剥がれている

マンション・ビルの屋根・屋上では、主に4種類の防水方法があります。

 

 ・ウレタン防水(塗膜防水)

 

液状の防水塗料を塗ることで化学反応で膜を作る防水方法。
耐用年数は10年~15年程度とされ、6~7年ごとにメンテナンスが必要とされています。
どのような個所でも使いやすく、歩行を伴う場所の防水に有効です。
工事費用は1平米あたり4000円~7000円が目安です。

 ・シート防水

防水シートを下地に貼りつける防水方法です。
一般的には塩化ビニール製のシートが用いられます。
軽量で施工しやすく、元の防水材に被せて施工が可能な場合もあります。
他の方法と比べて外部損傷に弱く、施工次第で品質に差が生じやすいです。
特にシートの重なり部分などの施工には、高い技術・経験が必要となります。
耐用年数は10~20年とされています。
10年を目安に点検・メンテナンスが必要です。
工事費用は1平米あたり4000円~8000円が目安です。

 ・アスファルト防水

液状の溶解アスファルトと、防水性の高いアスファルトシートを積層し、厚い防水層をつくる防水方法です。
二層以上の積層にするため防水性・耐用性が高く、施工による不具合が生じにくいです。
耐用年数は15年~25年とされ、6~7年ごとに点検・メンテナンスが必要です。
工事費用は1平米あたり4000円~12000円が目安です。

 ・FRP(ガラス繊維プラスチック)防水

軽量でありながら強度が大きく、5層の防水層で形成されるため、耐熱・耐水・耐用性に優れています。
耐用年数は10年~15年程度とされ、5年を目安に点検・メンテナンスが必要です。
工事費用は1平米あたり5000円~20000円が目安です。

 

 

さて、今回は屋根・屋上の防水メンテナンスについてご紹介しました。屋上以外の屋根の状態は普段は確認しにくいため、定期的な点検やメンテナンスを行い、劣化を予防することが望ましいです。

建物の防水は屋根だけで済むものではありません。外壁やベランダ・バルコニーの防水メンテナンスも重要です。
これらについてはまた次回ご紹介します。

 

【出典】
・関東防水管理事業協同組合
https://www.kan-bo-kyo.or.jp/flow/a3_e.html
・やねいろは 「屋上防水がはがれて 雨が浸透してくる」について
https://tinyurl.com/yykzkczx
・不動産中央情報センター
「屋上防水」のメンテナンスはお済みですか?
https://www.demand.co.jp/owner/index.php?itemid=851&catid=113
・防水コネクト マンション・ビルの防水工事を依頼するために
必要な知識とポイント
https://bousui-connect.com/structure/mansion/
・屋根の防水シートの役割や劣化した時の対処法について
https://hapisumu.jp/reform-34228/

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