コロナ禍で変わった物件選びのポイント

2023年4月11日

名城企画株式会社です。

今回は賃貸物件を探す人の物件選びのポイントがコロナ前後でどのように変わったかを2つのアンケート調査の結果から探ります。

コロナ禍で変わった物件選びのポイント

●ハウスコムの調査から

ハウスコムは2022年4月29日~5月1日に、全国15歳~49歳の男女のうち、コロナ前(2010年~2019年)とポストコロナ(2021年4月以降)の賃貸物件への引っ越し経験者それぞれ600人弱を対象にアンケート調査を実施しました。
その結果から主な内容をご紹介します。

・「平均家賃」
引っ越しをした(する予定の)賃貸住宅の平均家賃は70,999円で、コロナ前の63,912円より7,086円上昇しました。

・「部屋の設備の導入率」
引っ越しした(する予定の)部屋の設備の導入率は、「独立バス/トイレ」が73.7%とコロナ前より5.8ポイント増加。「フローリング」が65.8%とコロナ前より6.2ポイント増加しました。

・「学校や会社から遠くても広い物件に住みたいか」学校や会社から遠くても広い物件に住みたいかを尋ねたところ、「とてもあてはまる」「ややあてはまる」の合計は46.2%でコロナ前より8.7ポイント増加しました。

上記3つの結果から、コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えたため、多少家賃が高くても快適な住環境を求める人が増えたことが分かります。

・「ポストコロナの家の中での過ごし方」家での過ごし方を複数回答で尋ねたところ、「料理をする」が60.2%でコロナ前より11.5ポイント増加。「仕事/勉強」が37.9%で9.8ポイント増加。「電話/音声電話」が27.5%で8.1ポイント増加。「友達を呼ぶ」が24.2%で8.3ポイント増加。「インテリアや飾りつけにこだわる」が19.0%で6.3ポイント増加。「エクササイズやトレーニング」が18.9%で6.3ポイント増加。

コロナ禍では家の中で過ごす時間が増え、家の中で、料理、仕事/勉強のほか、様々な活動を行うようになったことが示されています。

・「賃貸物件をインターネットで検索する際にあってほしい選択項目」インターネットで賃貸物件を検索する際、
希望に合わせてチェックボックスを選択する方法が一般的です。その際にあってほしい選択項目を尋ねました。

その結果、回答が最も多かった項目は「防音性が高い」47.2%で、コロナ前から2.6ポイントとわずかに増加しました。

コロナ前から回答が大幅に増えた項目は、「料理が楽しめる広いキッチンがある」が28.1%でコロナ前より5.3ポイント増加。「テレワークができるカフェや施設が近くにある」が17.4%でコロナ前より9.5ポイント増加しました。

上記2つの結果から、自宅で料理をする人が増えたため、広いキッチンへのニーズが高くなったこと、また、自宅で仕事/勉強をする人が増えたため、気分転換のため、もしくは集中できる環境を求めて、カフェなどでテレワークをするニーズも増えたことが分かります。

・「家の周辺環境について「あってほしい」と思う施設や場所」家の周辺にあってほしいと思う施設や場所を尋ねたところ、回答が多い項目は「スーパー」75.8%や「コンビニ」69.7%ですが、コロナ前に比べて、スーパーは3.5ポイント、コンビニは5.3ポイント、ともに回答が減少しています。

コロナ前より大幅に増加したのは、次の回答です。
「ドラッグストア」の64.5%で4.0ポイント増加。
「カフェ・喫茶店」の36.2%で4.2ポイント増加。
「テイクアウトができる飲食店」が32.0%で5.9ポイント増加。
「銭湯・サウナ」が22.7%で5.2ポイント増加。
「夜間営業している飲食店」22.5%で6.2ポイント増加。
「スポーツジム」が15.9%で6.1ポイント増加。

この結果から、自宅で過ごす時間が長くなったため、テイクアウトの需要が高まり、またリフレッシュできるようなカフェや銭湯・サウナ、運動をするためのスポーツジムが家の周辺にあってほしいと思う人が増えたことが分かります。

なお、住む部屋を決めた当時、「街の雰囲気や周辺環境について事前に調べた」という人は89.5%で、コロナ前から8.3ポイント増加しました。

●不動産情報サイト事業者連絡協議会の調査から

不動産情報サイト事業者連絡協議会は2022年3月17日~6月14日に、過去1年間に自分自身が住む住まいを賃貸または購入するために不動産物件情報を調べた・調べている1388人にアンケート調査を行いました。その結果からコロナ前後を比較する内容をご紹介します。

・新型コロナウイルス感染症拡大が起こる前と比べて、住宅に求める条件はどのように変わったか賃貸住宅の物件情報を検索した755人の回答の上位は次の通りです。
「宅配ボックス・置配ボックスを設置したくなった」28.1%
「日当たりが良い住宅に住みたくなった」26.6%
「遮音性に優れた住宅に住みたくなった」26.6%
「通信環境の良い家に住みたくなった」25.8%

通信販売利用が増えたことを受けて、宅配・置配ボックスの需要が高まり、また、自宅で過ごす時間が増えたため、日当たり、遮音性といった快適さや、リモートワークをする上で通信環境が重視されているようです。

●まとめ

これら2つのアンケート調査から、コロナ前とコロナ後で、賃貸住宅選びにおいて次のような変化が確認できました。

・コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えたため、多少家賃が高くても快適な住環境を求める人が増えた

・コロナ禍では家の中で過ごす時間が増え、日当たり、遮音性といった快適さがより求められるようになった

・家の中で、料理、仕事/勉強のほか、様々な活動を行うようになり、広いキッチンや通信環境が重視されるようになったまた通信販売の利用が増えたことで宅配・置配ボックスの需要が増えた

・周辺環境としては、テイクアウトできるお店、カフェや銭湯・サウナ、スポーツジムが重視されるようになった

これからリフォームや投資をする物件を選ぶ際には、このような要素を考慮に入れていただければと思います。

【出典】
・ハウスコム 2022年6月7日
『2022年度“部屋選び”に関する調査 ~ポストコロナの部屋選び~』
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000167.000029713.html
・不動産情報サイト事業者連絡協議会 2022年10月27日
2022年版「不動産情報サイト利用者意識アンケート」 調査結果
https://www.rsc-web.jp/pre/

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